そのまま、上に突き付けたい
今日のblogに書きこんだ後、こんな記事を見つけました。非常に共感できるので、急きょアップすることにしました。
増え続ける心の病、リーダーは行動を改めよ(ITmediaエンタープライズ - 06月30日 12:32)
「わが社では心の病を抱えている人が多い」という話を耳にすることが増えた。2008年度にうつ病などの心の病で269人が労災認定されたことが厚生労働省のまとめで分かった。これは過去最悪の数字である。このうち未遂を含む自殺の認定は66人で、前年度より15人減ったものの、過去2番目に多かった。 集計によると、精神疾患による労災申請は927人で、認定された269人を年代別に見ると、30代が28%、20代と40代がともに26%だった。自殺で認定された66人のうち、62名が男性で、年代別では50代が24人、40代が15人、30代が11人と続いた。さまざまな世代で心の病を抱えていることが分かる。●300人の予備軍
この数字は氷山の一角でしかないと考えている。「ハインリッヒの法則」をご存じだろうか。この法則は、米国の損害保険会社に勤務していたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ氏が労働災害の事例統計を分析した結果から導き出した法則であり、「1件の重大災害(死亡や重症)が発生した場合、その背景には29件の軽症事故とともに、300件のヒヤリ・ハット(危うく大惨事になるもの)がある」というものである。
この法則に従えば、自殺者や心の病を抱えている人が1人いる場合、自殺あるいは心の病を抱えている可能性の高い人が29人いて、精神を揺さぶられている予備軍が300人いるということになる。つまり厚生省が発表した300倍以上の人が何かしらの心の病を抱えていると考えられるのである。
なぜこのような心の病を抱える人が増えているのだろうか。不況の影響もあるが、負の連鎖が起きているのではないかと思う。●恐ろしい負の連鎖
最近、ある銀行の50代半ばの副支店長が、30代の女性社員に対してセクハラをしたという話を聞いた。その原因を調べてみると、いろいろなことが浮き彫りになった。彼は銀行の合併によって副支店長になったのだが、彼の上司にあたる支店長は30代の若手だった。彼はその支店長から「使えない奴」というレッテルを貼られ、リストラに近い扱いを受けていたのだ。「あなたはこの会社にはいらない。教育係にでもなったらどうですか」というようなことを言われ、それがセクハラにつながってしまったという。
セクハラは決して許されることではない。しかし、上司の心ない発言(この場合、年下から言われたことがさらなる打撃を与えたかもしれない)が、彼を精神的に追い込み、大きな過ちをさせてしまったともいえよう。
負の連鎖は恐ろしい。1つの出来事をきっかけに、どんどん悪い方へ転がっていく。それがほかの人たちにも大きな影響を及ぼしていく。特にリーダーは自分の言動や行動が周囲に与える影響を考慮すべきである。●部下の存在を認めているのか
コーチングには「承認」というスキルがある。言葉の通り、人を受け入れ、認めることである。承認は大きく2つに分かれる。(1)行動に対する承認
(2)存在に対する承認行動に対する承認とは、部下が何か成果を出したり、うまく物事を進めたりしたときに、「いい仕事ができたね」、「売り上げを30%も伸ばしたね」などと具体的に褒めることである。成果を褒められることで、仕事への意欲を一層高めることができる。これに対して、存在に対する承認とは、ただ相手のあるがままを認めることである。これによって、相手は自分の存在が認められたと感じ、働きがいを感じられるようになるのだ。
実は、この存在に対する承認がビジネスの現場で軽視され続けているのではないかという印象を持っている。成果主義の弊害の1つといえるが、短期の数字を求められるようになり、上司は大きなプレッシャーを感じながら仕事をしていて、自分のことしか考えられなくなる。部下に対してもそっけなく対応し、コミュニケーションをとろうとしない。そのような職場では、部下は働きがいや仕事に対するやる気を奪われてしまう。この大切さをリーダーは改めて認識してほしい。●リーダーとしての自覚を持った行動
具体的には以下のような行動を実践してもらいたい。
毎朝、自分が出社したり社員が出社してきた際に必ず「おはよう」と言う。何かしてもらったら「ありがとう」と言う。
社員を「○○君」と必ず名前で呼ぶ。
目を見て話をする。
暗い顔をしている人がいたら、「何かあったのかな?」と声を掛ける。
必要ならば叱る。しかし、その後に原因を話し合い、解決策を見つける。
相手が話をしたら、まずは聞いてあげる。
退社するときにも必ず挨拶する。
これはほんの一部だが、実践するだけで職場の雰囲気は大きく変わるし、部下は大きな働きがいを感じられるようになるだろう。ごく当たり前のように感じるだろうか。しかし、これができないリーダーは思いのほか多い。
先日ある企業の経営幹部の方に対してコーチング研修する機会があった。週末にわざわざ出社してまでということでやる気がなかったのか、わたしが「おはようございます」と声を掛けても、目を見ずに小さな声でぼそっと「おはようございます」と言う人はいい方で、ほとんどの参加者は無反応だった。研修が始まってからも眠そうな顔をしている。
正直少し腹が立ち、次のように言った。「あなたたちの今の姿を見て、職場がどのような状況か手に取るように分かります。朝からリーダーが挨拶すらしなかったらどうなりますか? 皆さんが職場にいる社員のやる気を奪っているのです。会社は皆さんが立派なリーダーになるために高い研修費を払っているのです。このような状況では会社にも皆さんにもマイナスです。お帰りください」リーダーとして当たり前のことを自覚できていない典型だった。その後は全員が集中して研修に取り組んだのだが。
心の病が大きな問題となる中、リーダーは存在に対する承認の必要性を認識し、ぜひ実践して欲しい。
ハイ、今うちのトップ層に必要なこと、すべて書いてあります。印刷でもして、明日机の上に置いておこうかなぁ・・・
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