いつもこの家に訪問することを考えると、憂うつになる自分。
今日も憂うつな気持ちの中、自分を奮い立たせながら訪問してきました。ですが・・・やっぱり、ダメですね。
今日はモニタリングの報告と、署名を貰うために訪問。
しかし「署名はしない」とのこと。あんまりゴタゴタやっても意味がないことはわかっていたので、淡々と対応して引き下がることに。
署名をしない理由、何の説明も聞かずに、拒否です。
拒否の理由は、サービス体系が変わることに対しての不服です。そんなこと、自分に言われてもとばっちり以外の何物でもありません。
ただ、不満を持つことも理解できます。だから引き下がったというのもあります。
この方、先日脳血管障害で救急搬送されることに。入院こそは短かったものの、脳血管障害で入院したことにより、病院のケースワーカーから介護保険の申請の案内が息子にされることに。息子はよくわかっていない見たいとの話だけど、とりあえず手続きはしたとのこと。
「介護保険の申請」というのが、ミソです。
障害を持つ人が日常支援を受けるときは、障害者総合支援法によるサービスで提供されます。費用負担は収入に応じ変わっていく「応能負担」です。ですから、多くの人は実費負担をすることなくサービスを受けることができます。
ところが、65歳になるとすべて介護保険対応になります。
65歳以上で日常支援を必要とるする人は、介護保険法による介護サービスの提供になります。これは障害の有無を問わず、65歳以上の場合は介護保険法が優先されます。これは厚生労働省の通達により決まっていることです。ただし、介護保険法にないサービスを受ける時、あるいは要介護認定の結果「非該当」になった場合は障害者総合支援法のサービスを受けることができます。なので、原則は介護保険法が優先になります。
さらに、40歳から65歳未満の人が「特定疾病」で介護を必要とする状態になった時も、介護保険法の適用になります。この「特定疾病」の中には「脳血管障害」が含まれており、この方は介護保険の対象になります。介護保険のサービスを受けた場合、費用は原則1割負担の「応益負担」になります。所得に関係なく、一律に費用が発生します。
ここで問題になるのが、障害を持った人。
今までは無料で障害福祉サービスを受けることができていたのが、ある日突然介護保険サービスの対象になり費用負担をすることになる。「今まで無料だったのに、どうして実費負担をしなければならないのか」という思いが出てきます。これは、もっともな意見です。障害福祉サービスを受けていた人には既得権がある訳で、65歳になる前から福祉サービスを受けていたわけであります。しかし65歳になった途端、「障害」を理由にするのではなく「加齢」を理由に制度を切り替えるというのは、納得いかないものであります。ましてや今回の場合は65歳の切り替えではなく、特定疾病による切り替えですから、本当に青天の霹靂であることは言うまでもありません。
もちろん「65歳を超えれば、障害も関係ない」というのもあります。
ですが実際にサービスを受けていた人にとって見れば、納得のいかない話であります。署名の拒否と説明拒否は、まさにここにあります。何とかできるものであれば自分もするのですが、現在の日本の制度の中では、これをひっくり返ることはできません。仮に介護保険の方で要介護認定が「非該当」になれば、引き続き障害福祉の方からサービスを受けることになります。しかしながら自分の見立てでは、非該当にはならないと考えます。うちの親ですら要支援が付いたのですから、障害を持っている人であれば間違えなく該当することになるでしょう。
余計な話をしても、聞く耳を持ってもらえません。
なので、自分は引き下がるだけ。この先も、ハッキリ言って支援を継続することは困難であると思います。もっとも、介護保険の対象になればサービス利用計画はその時点で終了になるので、自分たちの関わりも終わりになります。自然消滅を待つのも1つですが、一応契約は残っています。その処理をどうするかを考えなければなりません。なので週明けにご家族の方にも説明をしますが・・・まぁこっちも納得いかないでしょうね。でもうちで利用計画を立てている人は80人以上。1人のためにそんなに時間を割くことはできません。積極的に相談を希望する人であれば話は別ですが、サービス利用計画を立てることすら納得していなかった人ですから、本音を言わせてもらえば、その方のお相手をしている時間はありません。もちろん、市から依頼を受けたケースなので、市に返すつもりです。
納得できない理由はわかりますが、現状ではそういう状況。
ですから、自分も淡々と対応をさせてもらいます。
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