ニュースでは「駆け込み退職」が話題ですね。
産経新聞「地方公務員も減額徹底を 退職手当法改正で総務省」
総務省は26日、国家公務員の退職手当を約15%、平均403万円減らす改正法公布に伴い、地方公務員の退職手当も同様に減額するよう都道府県知事らに通知した。退職手当と年金を合わせた退職給付が民間より高い状態を是正するため。全自治体が実施すれば、年3400億円の人件費削減になると試算する。
地方公務員の退職手当は国家公務員と同様、退職時の月給や勤続年数に応じた基本額に民間との格差を是正する調整率を掛けて算定。調整率は自治体が条例で決める。
総務省は2012年度の定年退職者が集中する3月末に間に合う減額開始を求めており、自治体の一部は調整率を引き下げる条例改正の準備を進めている。
国家公務員は来年1月から14年7月までに3段階で引き下げる。完全実施の15年度以降は年600億円の削減を見込む。
(このニュースは昨年の11月26日の記事)
毎日新聞「埼玉の教員:退職金減額前、100人超退職 今月末、駆け込みで」
埼玉県内の公立学校で今年度に定年を迎える100人以上の教員が、1月末での退職を希望していることが分かった。2月から退職手当の引き下げが予定されているため、駆け込みで前倒しの退職を希望しているとみられる。
これだけ大きな規模で年度途中での退職希望者が出るのは異例で、県教育委員会などは教員を臨時採用するなどして学校運営や授業に支障が出ないよう対応に追われている。
昨年11月に官民格差を是正して退職手当を引き下げる国家公務員退職手当法の改正があったのに合わせ、埼玉県も関連条例を改正し、今年2月1日から施行を予定。退職手当を14年8月までに段階的に引き下げ、平均約400万円減額される。今年度の定年退職者は3月末まで勤める場合、月給約40万円とすれば退職金が約150万円の減額となる。1月末で退職すれば、2〜3月分の月給約80万円を除いても約70万円多くもらえる。
県教委によると、1月末での退職希望者の内訳は、小学校約30人▽中学校約20人▽県立高校27人▽県立特別支援学校9人。中には教頭も含まれ、人事異動で対応する。
さいたま市教委によると、同市採用分では、小学校8人と中学校11人の計19人となっている。
こんなに理不尽な話って、ありますかね。
元々は前述のニュースがあって、それが波及して「駆け込み退職」の問題になったわけでありますが、退職する人に責任を押し付けるのは不条理ですよね。本人にしてみれば「寝耳に水」であって、時間もない中で選択を迫られていたわけであり、「教師としての倫理」と「一人の労働者として」のどちらの思いが振れるか、というところでしょうか。
ただ自分は1つだけ言いたいことが。
帰りの車の中で聞いていたラジオから、1つの意見として「最初から自ら選んで仕事を決めたのだから、その給与格差を埋めようとすることが間違い。最初から格差を承知してのことである」というものが。
職業選択の自由があり、それは自己責任であります。
しかし選んだ職業の給与水準が低いからその給与に甘んじろ、という考えは違うと思います。たとえば自分のような仕事、ぶっちゃけ手取り20万もいきません。30代半ばなのに手取り20万もいかず、年収ベースでは300万円にも満たない仕事。キザなことを言えば「使命感」からこの仕事を選んだわけでありますが、決してこの収入に甘んじて選んだわけではありません。この仕事に就く人がいなくなれば、当然ながら社会問題に発展するでしょう。介護の現場でも重労働で厳しい世界なのに、それに見合った給与水準になっていない。だから若い人が介護職に就かないのであり、離職率も高い。今現場で残っている人というのは、まさに「使命感」以外の何物でもないと思います。本当にもっと収入を得るのであれば他にも方法はいくらでもあるはず。にもかかわらずこの仕事にこだわるのには、この仕事が好きであるということと、使命感であると思います。「自分で分かって選んだのだから仕方ない」という考え、それは違うと思います。もし今、日本中の介護に携わっている人と福祉の第一線で働いている人がみんなこの仕事を辞めたら、だれがこの仕事をやるのでしょうか。単純に「自分で選んだから」という理屈は通らないと思います。逆を言えば、低賃金ながらも支えていく「わずかの人」がいるからこそ辛うじて維持ができているのであり、実際のところはボロボロの状態で支えているのだと思います。それでもいなくなってしまったらすべてが崩れてしまう、だから辞めずに続ける人がいるのだと思います。
まぁもっとも、自分の場合はこの仕事以外の仕事をする自分が想像できませんけどね。
もっと別のスキルがあれば違った仕事にもついていたのかもしれませんが・・・スイマセン、ネットの反応をたった140文字で表現することができなかったので、堂々と書いてみました。
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