論点をはっきりと
Yahooニュース「後期医療廃止法案を提出=旧制度に戻す-野党4党」
民主、共産、社民、国民新の野党4党は23日午後、75歳以上の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)を2009年3月末で廃止し、旧来の老人保健制度に戻す法案を参院に共同提出した。批判が強い同制度の廃止を迫ることで、福田政権をさらに追い込むのが狙い。6月上旬に可決し衆院に送付する方針だが、衆院で多数を占める与党は反対しており、成立は困難とみられる。
政府・与党は低所得層の保険料軽減措置の対象拡大など運用面を改善し、国民の理解を求めていく考えだ。一方、民主党は政府・与党の対応などを見極めながら、福田康夫首相問責決議案提出の是非を判断する。
廃止法案は制度廃止までの経過措置として、(1)年金からの天引きは遅くとも10月からは行わない(2)被扶養者からの保険料徴収の凍結措置は09年3月まで延長する(3)遅くとも10月から保険料負担の軽減を図る-と規定。また、09年4月から2割になる予定の70~74歳の医療費自己負担を1割に据え置く。 (時事通信)
久しぶりに「高齢者関係」に触れてみました。
で、恥ずかしながら自分、この制度、今年に入るまで知りませんでした。いつもお世話になっている薬局のポスターでこのことを知りました。最初は「へぇ・・・」と思っていましたが、色々とニュースを聞くうちに「こりゃちょっとまずいな・・・」と感じました。ただ何より、この世界にいる人間ながら最新の制度について理解をしていなかったことは「社会福祉士」として情けないな・・・と感じています。畑違いとはいえ、福祉でオールマイティに活動しなければいけない立場としては、ちゃんと理解をしていかなければなりませんね。
「ちょっとまずいな・・・」と書いたとおり、基本的にこの制度には「反対」です。
ただ、自分が反対するのは「費用」の部分であり、制度そのものには特別反対はしていません。もっと言えば、基本的な制度は「1割負担」と言うスタンスに変わりはありませんから。
じゃ何が反対かと言うと・・・安易に高齢者から費用負担を取ろうとする点です。
この安易な方法、そう介護保険制度のときも「年金天引き」と言う点が問題になりました。「使わない人は払い損」みたいなことも言われましたが、今回も年金から天引き。このことを考えると、現在年金を満額貰っている人は1ヶ月約6万6千円。この中から介護保険料や今回の保険料が天引きされることを考えると・・・高齢者の1ヶ月に残る手元のお金は本当にわずかなものになってしまします。今話しているのはあくまで年金を「満額」貰っている人の話。もし満額もらえない人は当然この金額が下がっているわけですから、手元に残るお金はさらに少なくなります。本当に「最低限度の生活」に近いものになりかねません。
制度はまったく違いますが、生活保護法にはこんな条文があります。
(公課禁止)
第57条 被保護者は、保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。
これは「生活保護費」が国のお金、つまり「税金」から出ていることを踏まえ、税金に税金をかけることは認められないことを意味しています。生活保護法でこのような原理を示しているのであれば、年金に対しても同じような原理が働いてもいいじゃないかな・・・と思います。現在の公的年金制度は「賦課制度」であり、自身が払った年金保険料と国庫負担、すなわち「税金」を財源として運営されています。で、あるのであれば年金は生活保護費同様「税金」からまかなわれているのであり、保険料と言う名の「税」を課されるのは、生活保護法で言う「公課禁止」に当てはまるのではないのか、と考えます。もちろん生活保護と年金を同じレベルで考えるのは無茶があるかもしれませんが、少なくとも年金から保険料が引かれ、生活するのが難しくなっている現在のことを考えれば、同じような議論があってもいいのではないか、と思います。
久しぶりに福祉ネタでちょっと締めてみました。
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