コトバ★「社会福祉士その10」
今回のコトバは「社会福祉士」の第10弾。書くきっかけは、この記事からです。
(非常に話が混沌としており、わかりにくいです、ハイ。自分で書いていてもわからなくなってきていますので・・・)
Yahooニュース「福祉士実習、個人情報に過剰反応…内閣府部会で報告」
内閣府の国民生活審議会個人情報保護部会が8日開かれ、厚生労働省が社会福祉士養成の現場で起こっている個人情報保護法への過剰反応例を報告するなど、各省庁が、法の運用状況や現場で発生している問題について述べた。
厚生労働省は、社会福祉士の養成課程で行政機関による過剰反応が起こっていると報告。社会福祉士を志望する学生らが児童相談所や福祉事務所などで実習する際、支援方法についての理解を深めるために、支援対象の子どもや家族の個別のケース記録の閲覧は不可欠だが、個人情報保護を理由に実習先が見せず、効果的な実習ができないことがあるという。
また、内閣府防災担当は、市町村で個人情報保護への意識が壁となり、災害時要援護者のリスト作りや、支援にあたる担当部局、民間団体の間の情報共有が進んでいない状況を報告。3月に行った調査では、福祉部局の要援護者情報を防災部局も共有している市町村は全国の15%だったといい、「個人情報保護条例の解釈次第で情報共有はできる。先進的な取り組みをしている自治体の例を広く紹介し、とまどいを払しょくしたい」と述べた。(読売新聞)
個人情報保護法ができたのが、平成15年。職場でもその話題の回覧が流れた覚えがあります。
個人情報に関する記述は社会福祉士会の倫理綱領・行動規範にも記されておりますが、実はここに記されているのは「対被個人に対して」のみであり「対社会」に対しては書かれていません。また個人情報に関しては行動規範上、次のように定めています。
利用者に対する倫理責任(抜粋)
7.プライバシーの尊重
7-1.社会福祉士は、利用者が自らのプライバシー権を自覚するように働きかけなければならない。
7-2.社会福祉士は、利用者の個人情報を収集する場合、その都度利用者の了承を得なければならない。
7-3.社会福祉士は、問題解決をする目的であっても、利用者が了承しない場合は、個人情報を使用してはならない。
8.秘密の保持
8-1.社会福祉士は、業務の遂行にあたり、必要以上の情報収集をしてはならない。
8-2.社会福祉士は、利用者の秘密に関して、敏感にかつ慎重でなければならない。
8-3.社会福祉士は、業務を離れた日常生活においても、利用者の秘密を保持しなければならない。
8-4.社会福祉士は、記録の保持と廃棄について、利用者の秘密が漏れないように慎重に対応しなければならない。
9.記録の開示
9-1.社会福祉士は、利用者の記録を開示する場合、かならず本人の了承を得なければならない。
9-2.社会福祉士は、利用者の支援の目的のためにのみ、個人情報を使用しなければならない。
9-3.社会福祉士は、利用者が記録の閲覧を希望した場合、特別な理由なくそれを拒んではならない。
10.情報の共有
10-1.社会福祉士は、利用者の情報を電子媒体等により取り扱う場合、厳重な管理体制と最新のセキュリティに配慮しなければならない。
10-2.社会福祉士は、利用者の個人情報の乱用・紛失その他あらゆる危険に対し、安全保護に関する措置を講じなければならない。
10-3.社会福祉士は、電子情報通信等に関する原則やリスクなどの最新情報について学ばなければならない。
あくまでも倫理綱領上・行動規範上定めたれているのは「利用者に対して」の個人情報保護のことに対してです。もちろん行動規範には「専門職としての倫理的責任」として教育に関する部分も書かれていますが、上述のような細かな規範説明にまでは至っていません。
ただ、これは行政現場に限らずすべての現場において「個人情報」に対する過剰反応があることも事実であると思います。法律上は個人情報の内容に関する定義などはされていますが、いざ実際の運用となった場合、どの範囲を持って「個人情報」と区切るのかが難しい部分だと思われます。例えば上記の記事にあったように、社会福祉士実習のために福祉事務所・児童相談所・福祉施設に行った際、立場上は「実習生」であっても法律上は「実習生」は「関係者」なのか、あるいは「第三者」に当たるのかによって、この「個人情報保護法」に対する解釈も変わってくると思います。もし「第三者」とするのであれば、実習に行ったその時点で「個人情報に触れる」わけであり、実習そのものがNGとなってしまいます。逆に「関係者」であれば個人情報保護法で言う「個人情報取扱事業者」に該当することになります。
しかし、個人情報保護法で言う「個人情報取扱事業者」の中に、「次に掲げるものを除く」と但し書きがされています。
1.国の機関
2.地方公共団体
3.独立行政法人等
4.地方独立行政法人
5.その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
で、その「政令で定める者」とは次のようにあります。(中途抜粋)
(個人情報取扱事業者から除外される者) -個人情報保護法施行令より
第2条 法第2条第3項第4号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(当該個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成に係る個人情報データベース等で個人情報として氏名又は住所若しくは居所(地図上又は電子計算機の映像面上において住所又は居所の所在の場所を示す表示を含む。)若しくは電話番号のみが含まれる場合であって、これを編集し、又は加工することなくその事業の用に供するときは、当該個人情報データベース等の全部又は一部を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数を除く。)の合計が過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。
ゴメンなさい・・・なんだかこっちまでよくわからなくなってきました。
ただ1つ言えることは、地方公共団体は個人情報取扱事業者から外れることによって、公的機関では「個人情報保護法」に抵触するおそれは少なく、そのため基本的には「個人情報だから」と言って利用者ケースを見せない、と言うことは法律の解釈上は違っているのかな、と思います。じゃないと、実習そのものが「個人情報」をさらけ出した状態で行っているので、変にその部分だけ「個人情報だから」と言うのも、おかしな話、だと思います。
もっとも、一番手っ取り早いのは「他者に公言しない」と一筆書いてもらうのが早いと思いますが・・・
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