コトバ★「障害者自立支援法その14」
今回のコトバは久しぶりに「障害者自立支援法」です。今回が14回目になります。
当事者団体の中で反対運動が起きながらも可決・成立し、今年4月から始まった「障害者自立支援法」。
ただ、この4月に始まったのは補装具給付関係と自立支援医療に関してでした。しかし10月からはいよいよ本格的に始動することになります。
その大きな枠組みが「新サービス体系への移行」です。新サービス体系に関しては第7回で取り上げていますが、いよいよこの体系での移行が10月からスタートとなります。これによって1割負担をはじめ、利用する制度そのものも変わってきます。特に自分が従事する知的障害者福祉に関しては、「更生施設」は大きく変わるものと感じています。
そのイメージ図を「知的障害」に限って、以下のように示してみました。
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(参考文献;図説 よくわかる障害者自立支援法、中央法規出版)
現在の知的障害者福祉法には知的障害者授産施設・知的障害者更生施設など様々な施設類型がありますが、主たる考え方として「入所施設利用者」(更生施設・授産施設・通勤寮など)と「通所施設利用者」(更生施設・授産施設・デイサービスなど)の2つに分けられると思います。この際、通所施設利用者に関しては「日中活動の場」を考えればよいのでニーズ把握によって振り分けが比較的容易ですが、入所施設利用者の場合はこれまで「1日」を単位として考えていたものを「日中」と「夜間」に分けて考えていかなければなりません。その時、入所者に対してどのようなニーズがあるのかをアセスメントし、その上で利用者に適切な支援とサービスを提供することになります。
入所施設の場合、施設内で「日中活動の場」と「生活活動の場」が分けられているケースがほとんどであるため、施設の実態に即して10月以降、どの施設体系に移行するのかを考えていかなければなりません。ただ新施設体系への移行は法律施行後概ね5年以内に行っていくとなっているので、今すぐに決めなければならない問題ではないのですが、先送りできる問題でもありません。いずれにしても障害者施設は今後、難しい舵取りを迫られていくことになりそうです。(自分が障害者施設に面接に行って今後のことを聞くと「検討中」と答える施設がほとんどでしたから・・・)
(参考文献;坂本洋一著、図説 よくわかる障害者自立支援法、中央法規出版)
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