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2006.07.29

コトバ★「社会福祉士その9」

今日のコトバは「社会福祉士」の第9弾です。これまで倫理綱領・行動規範を中心に取り上げてきましたが、今日は気になるニュースが1つ入っていたので、その部分で取り上げたいと思います。

YOMIURI ONLINE「介護など外国人福祉士を容認…規制改革会議が答申案」

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)の中間答申案の全容が28日、明らかになった。
 一層の少子高齢化に備えるため、外国人労働者の受け入れ拡大を求め、新たな分野として、社会福祉士と介護福祉士を明記した。
 NHK改革では、衛星放送3チャンネルのうち、2チャンネルを2011年度までに停止し、民間に開放することを提言した。福祉士については、今後、需要が高まることが予想されるため、政府は外国人受け入れを前向きに検討する考えだ。
 規制改革会議は31日の会合で答申を決定し、小泉首相に提出する。
 外国人労働者の受け入れは、出入国管理・難民認定法に定めた在留資格に基づき、「投資・経営」「教育」など27分野に限って認めている。答申案は「高齢化社会の進展に伴い、介護分野は労働力需要が高まると予想され、質の高い人的資源を確保すべきだ」とし、新たに外国人の社会福祉士と介護福祉士の受け入れを検討し、今年度中に結論を出すよう求めた。単純労働者受け入れは従来通り、認めていない。
 政府はフィリピンとの経済連携協定交渉で、条件付きで看護師と介護福祉士の受け入れで合意している。この分野は過重労働などで人手不足が深刻になっている。同会議はこうした動向を踏まえ、受け入れ枠拡大を提言した。日本の社会福祉士、介護福祉士の国家資格を取得することが前提となる。
 ただ、厚生労働省は「介護分野は国内労働力でまかなえる。身分が不安定な外国人の参入は問題がある」と慎重姿勢で、今後、政府内の調整が必要になる。
 一方、NHK改革では、衛星放送2チャンネルを民間に開放するとともに、公共放送のまま残す6チャンネル(衛星1、地上波2、ラジオ3)については、報道などの基幹的サービスと、娯楽部門を分別して再編成することを求めた。
 教育分野では、政府が市町村の教育委員会について、権限を首長に移譲する構造改革特区の創設を検討していることを踏まえ、「特区は必要な措置を速やかに講じるべきだ」と明記した。(読売新聞)

「介護福祉士」はともかくとして、「社会福祉士」の外国人受け入れ、と言うのはちょっと解せないです。
元々日本にいる在留外国人で、その人に受験資格を与える、と言うのであれば理解できますが、国や文化の違いのある人に対して「相談援助部門」の人的資源を確保すると言う考え方は、ちょっとわかりません。介護福祉士の場合は既にフィリピンとの協定が結ばれており、また介護の「基本的技術」に関しては国を問わず同様の質を保てる可能性があるので理解ができるのですが、社会福祉士に関しては今もなお福祉の現場において位置づけが不明確であるがゆえに、この時点での「社会福祉士解放」はちょっと時期尚早のように思えます。

もっとも、まだ日本には「福祉はお上からの賜り物」との意識が強く、依然として「家庭内介護」が主流である中、日本の土壌に「社会福祉士」(ソーシャルワーカー)が完全に根付いていないのは事実だと思います。むしろ日本においてソーシャルワークの土壌を植えつけるために、その部分の制度改革などのほうが必要不可欠のように思います。

諸外国においては「ソーシャルワーカー」と言うのが1つの「職業」として確立されており、特にアメリカでは「MSW(=Master of Social Worker)」として位置づけられているとのことです。対して日本は従来長く続いてきた「措置制度」と言う行政処分の歴史が長く、介護保険制度や障害者自立支援法が施行されているにもかかわらず、未だに「~される」という受身の福祉であることがいえます。本来であれば既に「利用者」と「サービス提供者」が対等な立場でなければならないのですが、その部分の認識がまだ日本には根付いていないため、「社会福祉士」を外国人労働者として受け入れるためには、その土壌整備が必要だと考えられるのです。

もっとも、社会福祉士にしても介護福祉士にしても「社会福祉士」と言う仕事はありませんし、「介護福祉士」も元々は「資格名」であり、職業名ではありません。ただ社会福祉士と介護福祉士の業務形態を比較した時に介護福祉士のほうが業務内がはっきりとわかりやすいため「介護福祉士」は資格名でありながらそのまま「職業名」としても定着しているのだと思います。一方社会福祉士は「何でも屋」的な要素が強いため、高齢者施設では「介護支援専門員」とは別に「生活相談員」や「支援相談員」、病院では「MSW(=Medical Social Worker)・医療相談員・医療ソーシャルワーカー」と称して活動するのが現状になっているのです。また高齢者以外の施設でも「社会福祉士の必置(必ず配置しなければいけない)」の条件がないため、結果として「社会福祉士」は「社会福祉士」として埋もれてしまっている現状があります。きっとこれは社会福祉士の資格を持つ一人ひとりが、自ら「社会福祉士」であることの自覚と誇りを持ちつつ、常に自身の業務に対して前向きに、なおかつ知識及び技術の研鑚に励まなければならないのであろう、と思います。

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コメント

こんにちは。

諸外国においては「ソーシャルワーカー」と言うのが1つの「職業」として確立されており、特にアメリカでは「MSW(=Master of Social Worker)」として位置づけられているとのことです。

 Master of Social Workとは、学位のことであり、アメリカでは職業として確立しているというよりは、社会福祉領域の修士号です。むしろMSWを取得することにより、キャリアーアップをはかり、それ相応の収入を多く獲得するために取得する学位であると考えてよいでしょう。
 この点に関しては宮本義信(2004)『アメリカの対人専門職』ミネルヴァ書房に詳しいのですが、日本の認識とは異なり、MSWやBSWといったソーシャルワーク専門教育以外のトレーニングを受け、活躍しているソーシャルワーカーも多く、その裾野はかなり広い旨の記述があったことを見いだしました。


 また、一方社会福祉士は「何でも屋」的な要素が強いため、高齢者施設では「介護支援専門員」とは別に「生活相談員」や「支援相談員」、病院では「MSW(=Medical Social Worker)・医療相談員・医療ソーシャルワーカー」と称して活動するのが現状になっているのです。

 この記述に関して、介護老人保健施設の支援相談員は、特別養護老人ホームの生活相談員とは少し性格を異にします。東京都医療社会事業協会の定義によれば、
支援相談員は事実上MSWのグループに括られ、入会資格にも明確に位置づけられている職種なのです。正直、支援相談員は特養等の生活相談員とは比べものにならないくらい、医療、介護保険、社会資源その他の関連知識をかなり幅広く要求されます。それだけにかなりハードな職種です。小生は両方の経験があり、まさにそういう実感を持ちます。特養と老健では、その目指す方向性がことなり、それに応じて業務も異なっているのです。

補足説明、ありがとうございます。
何となくそんな記述や論述があった記憶があり、朧気ながらにその部分を引き合いに出してしまいましたが、実際の現場経験者の声が入ると、この記述もさらに深みを増すものだと思います。

如何せん、自ら「社会福祉士」でありながらその自己研鑽に時間的・経済的余裕が見出せないのが悲しいところですが、逆にそういう「自己研鑽」をする時間を見出せていないと言うのも、現在の「社会福祉士」が置かれている立場の一端であり、今後の「社会福祉士のあり方」に向けた課題の1つなのかもしれません。

補足、ありがとうございます。

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