コトバ★「社会福祉士その4」
今日から新年度です。新年度の最初が「コトバ」とは・・・ちと大変。
でもそんなことは言っていられません。と言うことで、新年度最初のコトバは「社会福祉士」の第4弾です。
昨日、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の合格発表がありました。今年の合格者数は1万2222人、合格率は28.0%、合格基準点は80点と言うものでした。元来、社会福祉士の合格基準は「全体の60%移乗の正答率」とされており、これを得点化すると90点、今回の80点が言うことは、全体のうち約54%に答えることができれば合格、と言うことがいえます。
さて、社会福祉士の受験者数は毎年増加傾向にあります。
開催回数 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第1回 | 1033 | 180 | 17.4 |
第2回 | 1617 | 378 | 23.4 |
第3回 | 2565 | 528 | 20.6 |
第4回 | 3309 | 874 | 26.4 |
第5回 | 3886 | 924 | 23.8 |
第6回 | 4698 | 1049 | 22.3 |
第7回 | 5887 | 1560 | 26.5 |
第8回 | 7633 | 2291 | 30.0 |
第9回 | 9649 | 2832 | 29.4 |
第10回 | 12535 | 3460 | 27.6 |
第11回 | 16206 | 4774 | 29.5 |
第12回 | 19812 | 5749 | 29.0 |
第13回 | 22962 | 6074 | 26.5 |
第14回 | 28329 | 8343 | 29.5 |
第15回 | 33452 | 10501 | 31.4 |
第16回 | 37657 | 10733 | 28.5 |
第17回 | 41044 | 12241 | 29.8 |
第18回 | 43701 | 12222 | 28.0 |
合計 | 295975 | 84713 | 26.6 |
上の表を見てもわかるとおり、合格基準と正解が公表されるようになった第15回の試験(この試験に私も受験し、合格しました。)から受験者数が3万人を超え、それに比例するように合格者数も1万人の大台に乗りました。以下、受験者数と合格者数の推移をグラフ化して見ました。
このグラフを見ると、回を重ねるにつれて「受験者数」と「合格者数」の差が広がっていることがわかります。
何故こんなことを言うのか・・・今回は完全に「自己批判」になりますが、合格基準が「全体の60%の正解率」と言いながら今回は約54%で合格できた・・・この傾向が明確になったのは、私が受験した第15回の試験からになります。第15回の試験では初めて「合格基準」と「正解率」が公表されましたが、その結果「出題ミス」が後に関係者の指摘で発覚し、追加合格者を出すと言う、受験者にとっては後味の悪い受験回となりました。それ以降、これまで試験センターが掲げてきた「60%の正解率」、つまり合格点が「90点」を超えたことは1度もありません。注釈として「問題の難易度に応じて」とありますが、それでも90点を超えたこともなければ、90点ピッタリになったこともありません。
ただし、表の「合格率」に注目してもらえればわかるように、受験者数は毎年増加しているのにもかかわらず、合格率の変動はほとんどありません。突出していると言えば、「出題ミス」が発覚した第15回の試験の時に唯一合格率が30%を超えていることです。それ以外は、ほぼ30%以下で推移しています。
このことから、一部の関係者の間では「合格率を30%に抑制しているのではないか」と言う声が聞かれます。
別に合格率を抑制するのは構わないと思います。ただし、「言っていることとやっていることが違う」と言うのは、やや問題があるかと思います。「60%の正解率」としているのであれば、キッチリ60%にあわせるべきであると思いますし、逆に30%台に抑えたいのであれば「成績の上位30%程度」と、定義をしなおす必要があるのではないか・・・と思います。
社会福祉士を持ちながらこのような批判をするのは足元をすくわれることになるかもしれませんが、ただ数字としてこのような傾向が現れているのは事実であります。「信頼される社会福祉士」「技量のある社会福祉士」になるためにも、この部分の基準はしっかりさせていくべきなのかな・・・と思い、今回はあえて社会福祉士による「社会福祉士批判」をさせていただきました。
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