「バリアフリー」と「非バリアフリー」
今日はグループとしては最後の外出行事。最後に行ったのは・・・ボウリング。
いや、普段のレクリエーションでもボウリングをすることはあったけど、今回は「本当」のボウリング。前の職場では「余暇活動」としてボウリングの引率をしていたけど、その時は全員歩行できる人。そして知的レベルも中軽度の利用者。だからボウリングそのものはなりなっていた。しかし今回は以前いた職場のような状況とは環境が違う。だから果たして上手くいくのか・・・と言うのが懸念材料。
今を遡ること、1ヶ月前。グループ担当職員で「3月に外出をしたいよね」と言う話になり、とりあえず3月に外出行事を組むことは決定。しかし詳細は未定のまま、数週間が過ぎ、取りあえず練った案が「ボウリング」とのこと。以前ボウリング場に行ってやったことがあるとのことだったので「あ、そうなんですか。じゃ、それで行きましょう。」と言うことになり、ボウリング場を予約・・・のはずだった。ところが今まで使っていたボウリング場に下見に行ったところ、想像以上にバリア(段差)があることが判明。今回は車椅子の利用者もいるので、車椅子の利用者が入れなければ意味がない。そのことを聞いてとっさに思いついたのが、ラウンドワン。あそこだったらほとんどのお店はエレベーターがついているし、レーンとウェイティングゾーンがフラットであるため段差は全くない。しかし、施設から近いラウンドワンって・・・と言う状態。自分の家からは車で20分ぐらいしたところにラウンドワンがあるのだが、施設からは「???」と言う状態。そのため、ボウリング場探しからスタートすることに。色々とネットでボウリング場を探してみるが、なかなか見つからない。そして施設から比較的交通の難がない場所に実踏に行って確認もしてきた。ただ、春休み期間中に入ってしまうためか、予約でいっぱいの状態。あぁ、ダメなのか・・・と思い、「可能な限り行けるボウリング場を・・・」と思い、今まで施設が外出行事で一番遠くまで行ったことのある施設を基準に地図をプリントアウトし、施設から最遠距離を同心円状に囲み、園中にあるボウリング場をマーク。
すると・・・あ、なんとラウンドワンがヒットしたではないか!!!
下見をした翌日、下見をした場所は予約で無理だったがラウンドワンが行動範囲内にあることを報告。
それを元に、常勤の職員さんが休日を使って実踏。そして時間的にも問題なく、また車椅子利用者の面でも問題なく、そして予約も問題なかったため、ラウンドワンに行くことに決定!そう、ここが見事「ビンゴ」だったんですねぇ。
ボウリングのレーンとウェイティングがフラットになっているのは知っていたけど、今回行ったところは身障者用のトイレがかなりゆとりを持って作られていた。そのため大きい車椅子も問題なくスムーズに入ることができ、利用者のトイレへのトランスも施設と同じように行うことができた。そしてスペースが広いため、トイレ内で着替えをすることもできた。そういった意味では、色んな意味で「バリアフリー」が整っている施設だったなぁ・・・と改めて実感。
一方で、ボウリング終了後に行ったレストランでは、全然バリアフリーではない。
と言うより、スタートの時点でつまづいている状態。予約の人数を間違えているし、事前注文したのにもかかわらず、全然料理が出てこない。不手際が多すぎる・・・って感じ。去年の華屋与兵衛とは大違い。そして何より大変だったのが・・・トイレ。入り口は一応車椅子でも入れるようにスロープは作られているものの、身障者用トイレはなし。トイレの大便器のスペースが若干広め・・・だけれども、車椅子のままでは入ることができない。そのため、自分がとった手段は・・・利用者を抱えて、そのままトイレにイン。できる限りトイレに近いところまで車椅子できてもらい、そこから自分が利用者を抱えてトイレの中へ。もちろん、自分も体がデカいため、非常に入りにくいし、ドアにぶつかってしまう。利用者には「あぁ、ごめん・・・ぶつかっちゃって・・・大丈夫?」と聞きながらの状態。当然ラウンドワンのように1人で行うことはできず、2人で行う状態でした。(ぶっちゃけ話、車椅子の利用者は2人で行ったのですが、その利用者が同時にトイレを訴えたため、1人は車の中で外から見えないようにしての非常手段、そしてもう1人を自分が抱えあげて行ったのです・・・ハイ)
今日1日の外出で「バリアフリー」と「非バリアフリー」をまざまざと実感した日。
そういえば学生時代に「バリアフリーマップ」を作る時に、偶然車椅子を利用している人がいて、事情を説明して話しを聞かせてもらったことがあった。その時に印象に残っている言葉が「バリアフリーが、また新たなバリアを生む」ということ。(詳しくは「Web diary」過去ログで。)今回はまたちょっと違うけど、形だけ整えても中身がなっていなければ、結局それは「バリアフリー」ではない。外見上のバリアフリーはもうたくさん。やるんだったら、もっと徹底的にやって欲しい・・・と思った、今日の外出でした。
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