偏見の現実
うーん、このことは何から話していけばいいのだろう・・・
今日は1日同じ利用者とプログラムを共にする。午後からは買い物に行き、そこで「金銭感覚」を身につけるための練習もしてきた。で、買物が終わって施設に戻る。すると常勤の職員から
「(売店のそばにいる)あの人は、色々と難癖をつけてくるから、注意してね」
とのこと。「ほぉ、なるほど・・・」と思い、利用者のトイレ介助をした後に、その利用者と一緒に施設の中にある売店に行って買い物をすることに。これも「支援」の1つ、「お金の使い方」を身につけるための手段の1つとして、売店の人に協力をしてもらって、金銭管理の支援を行った。
すると例の人が、あたかもこっちに気がついたかのように、難癖をつけてきた。
「あーぁ、あんな風になっちゃって、かわいそうだねぇ」
「こんな子を持つと、大変だわ」
「こんな子に対しては、お金をちょろまかすことだってできるしね」
あぁ、これが例の「難癖」なのね・・・って言うか、仕事の身分がなければ「何だ、テメェ(-_-メ)」とケンカを売っていただろう。まぁ事前情報があったから普通に気にすることなく対処できたし、仮に情報がなかったとしても「仕事」として就いている以上は、どんなことを言われても冷静に対処していただろう。
すると、こっちが「意に関せず」の姿勢をとっていることが面白くなかったのか、わざわざ話しかけてまで来た。
なのでこっちは眼光鋭く「仕事ですから。」と一言。すると「あぁ、そうね。金もらっているんだからね・・・」と吐き捨てるような言葉。もちろんこんな奴を相手にしても、何の特にもなりませんから、何事もなかったかのように「○○さん、こっち行こうねぇ」と、買物を済ませて戻ることに。
まぁ戻るときもわざとらしく「頑張れよぉ」なんて言葉かけがあったけど・・・内心は「ウッセェ、ババァ(`´メ)」と言う状態。(中指も立てている状態・・・)
まぁ難癖つけてきているこの人も、今までの人生の中で色々なことがあったのかもしれない。
その結果、自分より「弱い」と見える人に対して色々と難癖をつけるようになったのかもしれない。普通の人生を歩んでいれば、普通はこんなことを言わないと思う。それを平然と言うのだから、どっかで「心の歯車」が狂ってしまったのかもしれない。そういう意味では、難癖をつけるこの人も、別の意味で支援を要する人。
ただ、現場に携わるものとしてはやっぱりこう言うことを言われるのは、非常に悲しい。
去年の「勝手にそういうことをやると、下車駅では何もしませんよ」発言にも関係してくると思うけど、結局「障害者」と言うものを理解されていないから、こういった「ねじれ・ひずみ」が生まれてしまうのだろう。また障害が「知的」であるところも、理解されにくい要因なんだろう。今日の難癖には「コイツは知的障害だから、何言ってもわかりゃしないよ」的な感情も込められていると思う。そんな風に感じた。
あと「金もらっているんだからね・・・」と言う言葉。仕事の対価として給料が発生しているのだから、給料をもらっている以上はこういった支援をすることは当然のこと。ただし、本当に「お金」だけのために仕事をしているのであれば、もっと別の仕事だってあるはず。わざわざ待遇の低い福祉業界で働く必要なんかない。普通にサラリーマンをやっているほうが、よっぽど給料はいいと思う。だったら何故「福祉」という、安月給の世界で働いているのか?
それは「やりがいがある」の一言に他ならないだろう。
この世界、本当に決して待遇のいい世界じゃないし、給料も安い。今思えば「時給いいじゃん」と思って選んだ古の仕事も、時給以上のことをやっているかのように感じる。日中活動では自分は「常勤職員」とほぼ同じ内容をやっている。今までが「正規職員」として働いていた経験があるからこそ「常勤も非常勤も関係ない」的な考えをもっているから、「時給以上のことをやっている」と感じるのだろう。今日の「金銭感覚・金銭管理」も、今年の3月で契約の切れる自分がそこまで熱心にやらなくても・・・と思うくらいにやっていると思う。それでもやるのは「これからの彼らのQOLを高めるため」と言う目的があり、それが自分自身にとっての「やりがい」になっているからこそ、この世界で働いていけるのだと思う。
「施設職員」としては黙って我慢するしかないけど、「一個人」、そして「社会福祉士」としては、こういった発言は断じて許せないものであります。何ら非のない彼らに対してこのような発言をするのは、利用者を傷つけているのと共に、利用者のご両親のことまで侮辱しているからです。
契約の切れる3月31日、もし同じ支援をしたときに、同じことを言われた日には・・・最後だから胸ぐらを掴んで一喝するかもしれませんね、俺。
あ、もちろん「手」は出しません。それ出しちゃった時点で「負け」ですからね。
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