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2005.12.26

「Like」と「Love」と「障害」

今日は久しぶりにシビアな話を。と言っても、以前に何度か取り上げたことのある話題。
そう、恋愛の問題。

今日の自分の業務はクリスマスツリーの片付けと午後に早退する利用者さんとのお留守番。
で、今回のケースはこの利用者さんのこと。この利用者さんは意思表示はできるものの、基本的に全介助の利用者。そのためトイレに関しても全介助で行っており、もちろん自分も介助に入る。で、そのときによく言うのが「俺って恋愛できないのかなぁ・・・」と言うこと。前の施設で一方的な思いに対しての恋愛の件で書いたときは「難しい問題」と結論付けてしまっており、トイレ介助の際にその話題になると、ちょっと及び腰になっている自分。しかし今日のお留守番でも「1年間を振り返ろう」と題して色々と話をしていくうちに、その話題に。その場にいるのは自分と利用者の2人だけ。となれば・・・今回は意を決して、ちょっと深いところまで話を踏み込むことに。

「恋愛できないのかなぁ・・・」と言っているこの利用者、元を正せばその根源にあるのは養護学校時代の先生。
非常に恵まれた環境の中で育ってきたこの利用者、当時の養護学校の先生にも色々と良くしてもらったみたいで、その中で「先生が好き」と言う感情を持ったみたい。「先生が好き」と言うこの感情自体は別に不思議なことではない。我々だって学生時代に「好きな先生」「先生のことが好き」と思った人は結構いたはず。だからこの感情は別に問題になるようなものではない。ただこの利用者の場合、その思いが強くある反面、それを出すことが苦手でもある状態。そのたびに自分に対して「俺って・・・」と言うことがある。

そこで禅問答のように利用者に投げかけてみる。
○○さんにとって『好き』って、どういうことなのかな?」と尋ねてみる。すると「憧れの人」との答え。
そこで「じゃ男の先生にもあこがれていた先生はいた?」と聞くと、「うん」との答え。
そこでさらに「なら、男の先生の『好き』とその先生(感情を持つ、女性の先生)の『好き』は同じ?」と聞く。
すると悩みながらも・・・「う~ん、違うかも・・・」との答え。

ならば今度は方向性を変えて「○○さんは、好きになったら、その先はどうしたいの?」と尋ねる。
すると「一緒にいたい」との答え。ならば、と思い「じゃ一緒にいるためには、どういうことが必要かな?」と聞く。
すると「働くこと」との答え。うん、この答えは決して間違えではないと思う。ただ当然「働く」ことだけしていればいいだけではないので、その部分については身近な具体例を出して、利用者にちょっとだけ説明をした。一応、その話の内容には納得してもらえた様子。

もちろんこれ以外にも色んな話をしたけど、正直この利用者の中では「好き」と言う思いが「すき」と言う語彙だけに置き換えられている状態であり、その「すき」が「Likeとしての好き」なのか、「Loveとしての好き」なのかが混同しているように思える。さらに言えば「好き」の中には「尊敬、Respectとしての好き」も混在しているようにも思える。以前同様のケースで「障害の壁」と言う現実が存在していることを書いたことがあるけど、今回の場合、利用者自身は身の回りのことに関して介助が必要な状態であることを理解しているため、「自分には障害がある」と言うことは認識をしていると思う。ただ、今回の場合は自分自身が障害を持っていることを認識しているがために「俺って恋愛・結婚できないのかなぁ・・・」と言うことに結びついているのだと思う。別に今回の問題はまだ重大な問題になっているわけではなく、利用者個人としての「思い」だけがまだ存在しており、何の具体的行動にも移行していないため、施設として何か扱う必要のあるケース、と言うわけではない。しかし利用者自身が持っている「感情」は「感情」として受け止めていく必要がある。利用者に「このことを知っているの(話したこと)は他(の職員)にいるの?」と聞くと「Mitakeさんだけ」とのこと。つまりこの利用者は自分以外にはその感情を打ち明けていないらしい。このことはあくまでこの利用者のプライベートなことであるため他の職員にわざわざ報告することはしないが「気には留めておく必要があること」と考えているため、利用者記録には簡潔に今回の話題については残した。もし自分がいなくなったときに、そのことについての情報共有が出来るようにするために、あくまで「公式文章上」の記録として残すことにした。

毎回取り上げるたびに考えさせられる「性」の問題。
正直、安易なことを言うことは絶対に許されない。でも「障害があるから~」のように「障害」を理由に様々なことが制限・制約されてしまうのは、その人のQOLの向上にはつながらない。もちろん現実問題として受け止めなきゃいけない部分はあるけど、それでもその部分を克服してこそ、その人にとってのQOLは向上していくのだと思う。

前の施設でもでてきた問題が、今回の施設でも「利用者の思い」として自分に投げつけられた問題。
現場3年目としてはそろそろ「避けてきた問題」に対して、真正面から向き合って話していくことも必要なのかな・・・と感じて、今日は利用者と雑談を交えながら「恋愛」について向き合ってみました。この先今日話したことがどのようにつながっていくのか、今の施設にいる間は見守っていきたいと思います。

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