コトバ★「社会福祉士その3」
今回がどうやら55回目の「コトバ」になります。半分思い付きで思いつきで始めた企画、あれよあれよと言う間に「毎週土曜日」の定番内容となってしまいました。そんな「土曜の定番企画」も、今年も残す土曜は今日を含めてあと5回。うち最後の土曜は「大晦日」のため「総まとめ」をするため、実質的にはあと4回。4回分の「コトバ」のネタが見つかるかどうか不安の中で、毎回書き続けているコトバであります・・・
さて、今年もラストスパートをかける「コトバ」で取り上げる今日のコトバは「社会福祉士」の第3弾。
社会福祉士は既に2回取り上げており、1回目は「社会福祉士とは何をする人なのか」について、そして2回目は「社会福祉士がどんな現場で働いているのか」について触れてきました。そして今回は「どうすれば社会福祉士になれるのか」について、触れていきたいと思います。ちょっとBBSの方で「あれあれ・・・?」と言う方向に行きそうになったので、HP上でも解説をしているのですが、改めてこの場で確認をしたいと思います。
社会福祉士になるための基本的な流れは「受験資格の取得→国家試験受験→国家試験合格→社会福祉士登録」を得て、社会福祉士になることができます。ですから社会福祉士になるためには、まず第1段階である「受験資格の取得」が必要となります。受験資格がなければ、その先に進むことはできません。
現在法律(社会福祉士及び介護福祉士法、以下「法」と省略)に規定されている「受験資格」については、大きく分けて3つの方法に分類されます。
1.大学などで「指定科目」を履修する。(大学などには短期大学・専門学校を含む)
(指定科目)社会福祉原論、老人福祉論、障害者福祉論、児童福祉論、社会保障論・公的扶助論・地域福祉論の中からいずれか1科目、社会福祉援助技術論、社会福祉援助技術演習、社会福祉援助技術現場実習、社会福祉援助技術現場実習指導、心理学・社会学・法学の中からいずれか1科目、医学一般、介護概論(平成12年4月1日より適用)※ただし、試験科目は13科目であり、「指定科目の履修」とは異なる。
(試験科目)社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、心理学、社会学、法学、医学一般、老人福祉論、障害者福祉論、児童福祉論、社会福祉援助技術、介護概論2.社会福祉士一般養成施設を卒業・修了する。
3.下記の職種の実務経験が5年以上あるもの(5職種のみ)
福祉事務所における査察指導員・老人福祉指導主事、児童相談所における児童福祉司、身体障害者更生相談所における身体障害者福祉司、知的障害者更生相談所における知的障害社福祉司。(なお身体障害者福祉司・知的障害社福祉司に関しては、福祉事務所に関しては「任意設置職種」となっている。)
さて、今回のBBSで誤解されやすい点になったのが「大学を卒業すれば、現場未経験でも社会福祉士の資格を取得できる」と言う部分にあったのではないか、と思います。たしかにこれは「間違い」ではないのです。しかし「受験資格」を得るためには未経験であっても条件があるのです。
上記1の「大学などにおいて指定科目を履修する」とありますが、法においては「大学」に関して「福祉系大学」と「一般大学」の2種類に分別して考えているものと思われます。そして前者の「福祉系大学」と言うのが1に該当するものと考えられます。では何を持って「福祉系大学」と「一般大学」を分類するのか、それは大学が「社会福祉士受験資格」を取得できる課程・カリキュラムを持っているか、によります。つまり厚生労働省より「社会福祉士受験資格を与えることが許された、承認された大学」でなければ「福祉系大学」と捉えることができないのです。大学によっては社会福祉原論や公的扶助論など通常の科目として設置している大学もあるかと思いますが、重要なのはその大学が「社会福祉士受験資格」を得ることのできる大学であるのか、であります。ですから仮に指定科目を設置している大学であっても「社会福祉士受験資格」を得ることのできない大学である場合は、「一般大学」となります。
では「一般大学」を卒業した人が「福祉現場未経験」で社会福祉士受験資格を取得するためにはどのような方法があるのか?
それが上記2の「社会福祉士一般養成施設」に当たります。「一般大学」を卒業して社会福祉士取得を目指す場合は2の「社会福祉士一般養成施設」にて所定の科目を履修し、卒業することによって「社会福祉士受験資格」を得ることができるのです。ちなみに私の場合はこのケースに該当し、大学を卒業後、社会福祉士一般養成施設で社会福祉士受験資格取得に必要な科目を履修して、社会福祉士受験資格を取得しました。もちろん、福祉現場未経験」でした。
ところで、先ほどから文章の中で「福祉現場」「現場経験」と言う言葉を用いていますが、社会福祉士の受験資格を決定する要素の中には大きく分けて・・・
・学歴
・福祉現場における職歴
の2つが関係してきます。わかりやすく、少し表にまとめてみました。
学校の種別 | 学歴 | 必要な実務経験年数 | 社会福祉士 受験資格取得 |
|
福祉系大学など | 大学卒業 | なし | ||
3年制短期大学・専門学校など卒業 | 実務経験1年以上 | |||
2年制短期大学・専門学校など卒業 | 実務経験2年以上 | |||
一般大学など | 大学卒業 | なし | 社会福祉士一般養成施設にて、修了・卒業 | |
3年制短期大学・専門学校など卒業 | 実務経験1年以上 | |||
2年制短期大学・専門学校など卒業 | 実務経験2年以上 | |||
その他(高卒など) | 実務経験4年以上 |
この表の見方ですが、一番左が学校の種別(福祉系大学か、一般大学か)を、次の欄が学歴を、さらにその隣が社会福祉士受験資格取得に必要な実務経験の年数などを、左から右へ時系列に見ていくようになっています。
この表で説明ををすると、例えば福祉系大学を卒業した場合は、実務経験を経ずに社会福祉士受験資格を取得することになりますが、社会福祉士受験資格を取得できる「3年制の短期大学、あるいは専門学校」を卒業した場合は、学校を卒業した上で1年間以上の福祉施設などにおける「実務経験」を得ることによって、社会福祉士受験資格を取得することになります。
同様に、一般大学を卒業した場合は実務経験を経ずに「社会福祉士一般養成施設」を修了・卒業するれば社会福祉士受験資格を得ることができますが、一般の2年制の短期大学を卒業した人の場合は、福祉現場において2年以上の実務経験を経た上で、「社会福祉死指一般養成施設」を修了・卒業することによって社会福祉士受験資格を得ることができます。
なお実務経験の範囲・内容に関してはここでは説明しきれないので、こちらの方を参考にしていただければと思います。
若干複雑になりますが、もし「私の場合はどうなんだろう?」と思われた方は、私も所属しています「ウェル」の「インターネット福祉相談」をご利用ください。そちらの方では社会福祉士受験のほか、様々な福祉関係の相談にも「welfare-net21」に所属しています社会福祉士が相談に応じていますので、是非ご活用されて見ては・・・と思います。
参照サイト 財団法人 社会福祉振興・試験センター
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