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思ひ出アルバム

  • 卒業式が終わって・・・
    以前HPで行っていた「todya's photo」の写真や「御岳写真館」で使用していた写真を再び復活させるべく、「思ひ出アルバム」として随時更新していきたいと思います。また最近の写真でも「思ひ出」となるものについては、ここに納められていくことになるでしょう。

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2005.11.21

引いてもダメなら、押してみな。

入職2日目以来、大きな他害は受けていなかったのですが・・・今日は久しぶりに受けました。
う~ん、「受けた」と言うよりも「やらせた」と言った方が適切なのかな?

昼食が終わってのこと。昼食終了後は後番の職員と交代して利用者の歯磨きをしている。
もちろん利用者の中には歯磨きを拒否する利用者もいるわけで・・・それでも口腔衛生を考えれば必要なことなので、嫌がってやらせていただきます・・・ってか、嫌がっている理由は「痛い」から。それも「虫歯」で。そのことは既に知っており、保護者も知っていること。だからその利用者の歯磨きでは吸血鬼の如く出血が起きる。一度不安に思い保護者の方に確認を取ったが「血を出して欲しいので、やってください。」とのこと。
いや、やるのは構わないけど・・・でも利用者が嫌がっているからなかなかそう完全にはやりにくいのが現状。

とはいえ、いつもは嫌がる利用者を何とか説得して、とりあえずは歯磨き完了。ただ・・・痛がっていたの事実。
もちろん歯磨きをする利用者はこの利用者だけじゃないから、次から次へと1人でどんどん行っていく。そして一通り自分が受け持つべき利用者の歯磨きが完了。午後の外出に向けて準備を始めていた。

と同時に、利用者に「着替え」の促しをする。利用者によっては個別対応として様々なことをすることがあるが、着替えの必要な利用者に対しては着替えを実施している。で、声かけをしたのだが・・・どうやら元気がない様子。ナースの人もいて一生懸命モチベーションを上げようと声かけをしていた。そして自分も一緒に「頑張るぞぉ!」と利用者の手を持ち上げたとき・・・利用者が自分の手(と言うか拳)を口元に持っていく。
自分の中では大体その後の展開が想像できたのだが・・・ガブッ!

ハイ、オイラの手を噛みました。
入職以来、久しぶりに大きな他害です。とはいえ、半年もすれば多少は慣れはあるもの。最初は「それはやめよう。痛いことをするのはだめだよね。」となだめる様に声かけをする。しかし一向に興奮は治まる様子なし。そこで次にとった手段は・・・題して「逆教示」。「押してもだめなら引いてみな」ならぬ「引いてもダメなら、押してみな」と、普段とは逆の行動をとりました。

「そんなに噛みたいなら、噛んでみな。ほら、噛んでごらん!」

今度は逆に自分の拳を噛ませました。噛まれている手を解こうと無理に引き寄せてしまうと自分がケガをしてしまうので、逆に自分の拳を利用者の口の中に押し込みました。それに負けじと・・・と思ったのか、利用者も思いっきり噛んできます。ここまでくれば、どっちが先に音を上げるかの我慢比べ・・・と行きたかったのですが、その後の予定もあったので、ある程度のところで終わらせて、別の職員に引継ぎ。
ただ・・・ある種「我慢比べ」をやっていたので、自分の手には利用者の歯形がクッキリ。おまけに・・・血もベッタリ。近くにナースもいたので、一応流水で洗い流して消毒の応急処置。とはいえ、水で洗った後は血が出てくる気配は全くなし。と言うことは・・・この血、利用者の血。そう、さっきの「歯磨き拒否」の利用者が自分の拳を噛んでいたのです。血も、きっと歯磨きで出血した血が完全に止まっていなかったため、あるいは止まりかけていたところに自分の拳を思いっきり噛んだため再び出血して、その血が自分の手に歯形と共についたのでしょう・・・もちろん、本音を言えばメチャクチャ痛かったですよ。でもここで「痛い」と言ってしまったら意味がないので・・・耐えました、噛まれる痛さに。

ただ、この対応が良かったのかどうか・・・は難しいところ。
なんでもOK・・・というのであれば、逆に自分がその利用者の手を思いっきり噛んで「噛まれると痛いんだぞ!」と言うことを教えたいのですが・・・さすがにそれは福祉従事者としての倫理と手法としては不適切であることは十分承知しているので、そんなことはしませんでしたよ。ただ、やっぱり「やってはいけない」と言うことを教えるためには、ただ単に「ダメ」ではなく、身をもって教える必要もあるのかなぁ・・・とも感じています。以前書いた「コトバ★支援その2」で述べているように、「利用者(=お客様)だから何でも受け入れる」と言うのは間違っており、今回は前例を見ているために、若干「荒療法」でしたが、無理やり利用者の口に拳を押し込んでみました。「噛み付いても意味がないんだ」と言うことを教えるため、そして自分自身がケガをしないようにするためにも、今回の手法をとらざるを得なかった・・・と自分では考えています。
この辺の考え方は人によって賛否両論あると思いますが・・・本当に、支援をするということは難しいものです。

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コメント

こんにちわ。

利用者さんの暴力に対する対応って難しいですよね。高齢者施設においてはよくある光景?です。対応一つで態度が変わる、職員の対応次第って声もあったりするけど、そうでない事も多いです。

どこまでが、要望、希望でどこまでがわがままなのか。そのたびに支援の仕方考えさせられます。私は結構感情的になってしまいますが、それって一番だめなことよねっていつも反省している未熟者です。。。

今回の「噛んでみな」と言う対応、結構感情的な部分があったかもしれません。半分意地になっていた部分があったので、冷静に対応をしていたのか、と言われれば「???」と言うのはありますが・・・

ただ、今まで自分が従事している「知的障害」の部分では「暴力」と言うよりも「自傷他害」の「他害」の分類として捉えている考えの方が強いですね。事実、今回の利用者は気に入らないことがあると自分の手を噛んでいるときがありますし、他の利用者では傷を引っかいて自傷をしたり、職員の手の甲をつねって他害をしたり・・・と様々です。今の施設の場合は「利用者対職員」のパターンですね。
対して前の施設(授産施設)の場合は「他害」ではなく「暴力」と言うほうが適切でしたね。あくまでも個人的な考えを言うのであれば、「他害」の場合は「利用者vs利用者以外」で、「暴力」の場合は「利用者vs利用者」なのかなぁ・・・と感じています。この例なんかは、典型的な「暴力」の部類ですよね。
http://mt-mitake.way-nifty.com/mitake/2004/06/post_18.html

社会福祉基礎構造改革後、「利用者との対等な関係」を強く謳うようになって、何を持って「ニーズ」と考えるのかが、難しくなってきているような気がします。とりわけ仮にも「専門的見地」から見て必要と思われることでも本人・利用者・保護者が拒否してしまえばその支援はできないわけであり・・・難しいです。支援って。このblogでも何度か「支援」について取り上げていますが、その都度「自分の考えはまだ甘いのかなぁ・・・」と感じてしまいます。

確か同じ「社会福祉士国家試験 第15回合格組」だったと思うので、たぶん海さんとは同世代かな・・・と思いますが、きっと今が「福祉従事者としての自分」に悩む時期に当たっているのかもしれませんね。
お互い、より良い支援ができるようにがんばっていきましょうヽ(^o^)丿

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