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    以前HPで行っていた「todya's photo」の写真や「御岳写真館」で使用していた写真を再び復活させるべく、「思ひ出アルバム」として随時更新していきたいと思います。また最近の写真でも「思ひ出」となるものについては、ここに納められていくことになるでしょう。

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2005.11.19

コトバ★「生涯発達」

昨日の「生涯発達」の記事から引き続いて、今日のコトバは「生涯発達」です。
とはいえ自分のベースにあるのは社会福祉であり、心理学ではないので自分が話すには難しい部分がありますが、自分なりに書いてみたいと思います。「学問的見地からの生涯発達論」と「自分が考える生涯発達論」の2点から考察したいと思います。

★学問的見地から見る「生涯発達論」
昨日の記事でも最後に少し触れたように、「生涯発達論」の考えは元々心理学、とりわけ臨床心理学の分野から生まれた理論です。その理論の内容は「人は生まれてから死ぬまで、生涯を通じて発達していく存在である」と言うことです。心理学においては代表的な「発達理論」としてピアジェの発達段階(発達が進む順序は一定であると言う考え)、フロイトの発達段階(性を基本に置いた「自我」の発達の考え)などがありますが、この「生涯発達」の理論はエリクソンの発達段階がその考えの基本に置かれています。

エリクソンの発達段階は「人間のライフサイクルを視点においた考え」であることが特徴にあります。そもそもの考え方の視点はフロイト心理学でよく言われる「精神分析」の立場からではありますが、エリクソンの場合は心理・社会・環境の側面を重視した上で発達段階を8つに分類し、それぞれの段階において遭遇する「危機」に対してどのように解決をしていくのかが発達過程における重要なポイントであるとしています。この「8つの発達段階」の呼び方には文献によって様々な解釈や呼び方がありますが、全体としては以下のように分類・呼称されています。

※エリクソンの発達段階

それぞれの発達段階
 (概ね相当する年齢)
その発達段階における危機(プラスの力⇔マイナスの力)
  (プラスの力として危機を脱した時に得る活力)
(1)乳児期(口唇・感覚期)
 →概ね0~1歳
基本的信頼⇔基本的不信
 →希望
(2)幼児期初期(筋肉・肛門期)
 →概ね1~3歳
自立性⇔羞恥・疑惑
 →意志
(3)遊戯期(運動・性器期)
 →概ね3~6歳
自主性⇔罪悪感
 →目的
(4)学童期(潜在期)
 →概ね7~11歳
勤勉性⇔劣等感
 →有能
(5)青年期(思春期)
 →概ね12~20歳
アイデンティティ(同一性)⇔アイデンティティ拡散(同一性拡散)
 →忠誠
(6)成人前期(若い成人期)
 →概ね20~30歳
親密⇔孤独
 →愛
(7)成人期
 →概ね30~65歳
世代性(生殖性)⇔停滞
 →世話
(8)老年期(成熟期)
 →概ね65歳~
(自我)統合⇔絶望
 →知恵

エリクソンによれば、この考え方は内面からの欲求と外部からの要請に間に生まれる葛藤を認識しジレンマに陥るが、そのような危機を克服・解決することによって自我の強さとも言える「人格的活力)が体得され次の段階に進んでいく、と考えられています。例えば(1)の乳児期の場合はプラスの力として「信頼」が、マイナスの力として「不信」が危機として挙げられています。この場合、周りから自分が持つ欲求に対してすぐに満たされないことに対しての不満から「不信」を抱きながらも、「親やその周囲、あるい身の回りにいる人に甘えても(=信じる)大丈夫である」という「信頼」の力が上回ると、その結果として「希望」という活力を得ることができる、と言う考えとなります。

エリクソンの発達段階が「生涯発達論」と重要な関係にあるのは、「プラスの力」と「マイナスの力」が拮抗する関係が一段階のみで終了するものではなく、生涯にわたって続くものと考えている点にあります。特に社会の中でもよく言われる「アイデンティティの欠如」と言うのはまさにこのエリクソンの発達段階において検証できるものであります。エリクソンの発達段階において「アイデンティティ」は(5)の青年期に分類されています。しかしアイデンティティの問題は何も青年期だけに起きる問題ではなく、学童期、あるいは成年前記以降にも現れる問題(=危機)でもあります。


★自分が考える「生涯発達論」
これを踏まえた上で、自分自身が考える「生涯発達論」について考察していきたいと思います。
「生涯発達」の根本的な考え方・視点でもありますが、先の学問的生涯発達論でも考察したように、人は生まれながらに発達する能力を持っており、その能力はその人が最期を迎えるまで持つものと考えています。故に、「発達」と言う考えは赤ちゃん・乳幼児・児童などの学齢世代のみに当てはまるものではなく、障害者や高齢者、そしてもちろん健康な我々自身も日々「発達」をしているわけです。

昨日の業務の事例では、添乗員の人から「利用者さんの顔を見ていると、毎日表情が違っている」との声を聞きました。それを聞いて「あぁ、ちゃんとよく見ているなぁ・・・」と感じていました。比較的障害の程度が軽い障害者(身体・知的・精神を含めて)の場合は言語によるコミュニケーションが可能であり、快・不快のアピールなども言語を通じて行うことができます。しかし障害の程度が重度である場合、とりわけ言語によるコミュニケーションが成り立たない場合は、何を持って「快・不快」を判断するか・・・という問題になります。そこで出てくるのが、私は「観察」だと考えています。「観察なくして、支援はありえない」と自分は思っており、利用者の毎日の日々の表情や行動・態度などから今がどんな状態なのかを観察し、そして「推測」をして支援をしなければならないと思っています。まだ現場に立って数ヶ月の添乗員の方が「表情の違い」に察しているのは、まさにこれから利用者との関係を形成していくための第1歩であると思います。(観察などのことについては、また日を改めて取り上げたいと思います。)

また病院内でのもう1つの事例でも同じように「観察」と「推測」が必要なのです。特に「観察」と言うのは、ただ単に「見ている」のではなく「診る・観る・看る」が必要だと思います。だから単に目をつぶったからと言って「寝たんだ」で終わってしまっては、本当の「観察」にはなっていないのです。自分が祖母の手を握っていたとき、祖母は目をつぶって寝ているかのようにしていましたが、何気なく「今、落ち着いている?」と働きかけをすると、しっかりと自分の手を握り返してきてくれたのです。一見わかっていない様に見えても、実はしっかりと脳はそれなりながら働いているわけで、手の掌握があったのもまさにそれだと思っています。また他の患者さんに生涯発達のことを話したときも、「目には見えないけど、毎日の行動が少しずつ変化を起こしているんですよ」と話してきました。

障害者であろうと、高齢者であろうと、人は日々進化し、発達するのです。
どんなに重度の障害を持ったとしても、働きかけを怠ってはならないのです。それはまさしく「生涯発達」の視点であり、すぐには現れないかもしれないけど、長期的スパンで見れば確実に変化を起こすのです。「生涯発達」と言うのは「今その場」を見るのではなく、長期的な視点で見ることが重要なのです。今はできなくても、もしかしたら将来的にはできるように変化するかもしれない・・・それが「生涯発達」の視点なのだと思っています。どんなに高齢になっても「もうわかっていないから」「反応がないから」で終わってしまっては、本当にそこで終わってしまうのです。反応がなくても、常に働きかけを行うこと、その働きかけが本人にとっては「刺激」となり、微小ながら変化を呈することだって十分にあるわけです。ですから「もう(動かない状態が)長いから、無理かも・・・」と言っている方に「そうですね」と言うのは間違えであり、常に「プラスの力」に働きかけていくことが必要なのです。それは障害を受容するな、と言うことではなく、障害を受容しながらも、障害だからと言って留めることをせずに、いかにその障害を克服し、そしてその障害を代替する能力を身につけ、その人らしく生きていく支援を行っていくか・・・これが「生涯発達」の保障であると思っています。支援を行うには、常に「生涯発達」の視点を持った支援・援助が必要なのです。人間は可変する能力を持った生き物なのですから・・・


参考文献
ミネルヴァ書房「よくわかる臨床心理学」
中央法規出版「「新版 社会福祉士養成講座10 心理学」

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コメント

こんばんわ。初めまして。カンナと言います。

生涯発達について調べていたら、Mitakeさんのブログにたどり着きました。

社会福祉士さんなんですね~!少し拝見させて頂きまして勉強になりました。
私は今春から、一年かけて社会福祉主事資格の勉強を通信でしている♀です。

まもなく一学期が終わるのですが、心理学分野のレポートに追われています(泣)

今までその方面の勉強なんて経験ないですし、初めて目にする社会福祉の用語の大群に閉口しています。

生涯発達のレポート頑張ります♪(ホンとは半泣きです)

またお邪魔します。

こんばんわ、初めまして。
カンナさんに同じく、生涯発達の記事を探していて、
このブログにたどり着きました。

エリクソンの発達段階に関すること、Mitakeさんの考えが
とても分かりやすく参考になりました。


実は私もパニック障害持ちです。
それもあって、このブログにすごく惹かれました^^

まだ大学生ですが、社会福祉士と精神保健福祉士
ダブル取得目指して頑張りたいと思います。

アメブロの方と両方、
またお邪魔させていただきます(^^*)

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