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思ひ出アルバム

  • 卒業式が終わって・・・
    以前HPで行っていた「todya's photo」の写真や「御岳写真館」で使用していた写真を再び復活させるべく、「思ひ出アルバム」として随時更新していきたいと思います。また最近の写真でも「思ひ出」となるものについては、ここに納められていくことになるでしょう。

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2005.10.20

経験の獲得

実を言うと、既にこのblogには700本以上の記事があります。
できれば検索機能を付けたいのですが、如何せん自分の技量がないため、そこまでには至れない状態です。「コトバ」こそは自分で「どんなワードをいつ取り上げたかな・・・」と記録を残していますが、さすがにすべての記事の内容に関してはもう覚えきれません。何しろ毎日続けて書いていますから、後々読み返してみれば同じような内容のことを書いている日もあるかもしれません。

そんな可能性をもちつつも、支援についてのお話。
今日は利用者と一緒に「お買い物」へ。と言っても、行った先は施設内に併設されている売店。普段はお金を使うことに関して消極的なこの利用者。家庭の希望としては「もっと使えるようになって欲しい」との願望も出ており、機会があれば「お茶するから、何か買いに行く?」と誘いかけをしているが、なかなか首をタテに振らない。でも今日は自分の声かけに対して、意外にも「うん、行こう」との返事。もっとも今回「お茶しよう」といった背景には色んな理由があるのだが・・・

と言うわけで、利用者と一緒に売店へ。さすがに知的障害も持っているため、物品の購入に関して単独で行うのは厳しい状態。なので一緒に付き添いながら「何を買う?」と相談。すると飲み物を選んだため「じゃ、○○下さいって、言ってみよう」と促し。ここまではよかった。しかし問題はこの先。金銭の問題。

物を買うことに関して普段から消極的な利用者は、やっぱり金銭の部分に関してはそれなりの配慮が必要。
売店に行く前に「今日は○○円持っているからね。覚えておいてね」と前フリをした後に売店に行ったのが、案の定上手くいかず。「○○を買うためには、いくら払えばいいかな?」と尋ねるが、正しく行うことはできなかった。「ん?それでいいのかな?」と疑問を投げかけてあげると一応は反応するが・・・それ以上に利用者の気持ちの方はもう完全にあっぷあっぷの状態。この状態で継続していくことは困難と判断し、買い物演習は終了。部屋に戻ってお茶としてから、ゆっくりと確認することに。ゆっくり落ち着いて確認をすると、一応は理解できているものの、やっぱりその理解の程度には「???」が生じる。

ハッキリ言って「お金が正しく使える」と言うのは、相当高度な技術。だからそれができる利用者だったら、うちのデイサービスなんかには来ていない。知的の分野で考えれば授産か一般就労も可能性の見える範囲。でも到底そのレベルまでには到達していない。「お金を使う」と言うこと以前に「お金を使う状況」おいて極度の緊張やパニック状態になってしまっている時点で、お金云々の話ではなくなる。「金銭感覚」以上に、その状況の経験を積んでいくことの方が今の利用者にとっては必要なこと、とものすごく実感。

別に買い物の仕方に正解・不正解はない。知的にハンディを持っているのだから、我々の考えているような方法では利用することが困難な人が多いのは事実。だからチンパンジーのパン君のようにパターン化を作ってしまうというのも1つの方法である。でもそれ以上に必要なことは「経験による学習の積み重ね」であるはず。もしかしたらこの利用者の場合は一度買い物の場面で大きな失敗をしてしまい、その経験が色濃く残ってしまっているために買い物に関して消極的になってしまったり、買い物の場面で著しく緊張をしてしまっているのかもしれない。でもその現状を打破していくためには、やっぱり経験を積んでいくことしかない。よい経験も悪い経験も、成功も失敗も全部含めて経験することによって「社会的スキル」を獲得していくことができるのだと思う。とりわけ障害が重複している場合にはさらに困難さを極めるかもしれないが、それでも経験を積む機会を提供していくことも、支援者としては必要な行動であると思う。

支援者は「支援者」であって、教育者でもなければ治療者でもない。
お金のことを勉強させるつもりもないし、お金の認識を持てるようなリハビリテーションをするわけでもない。あくまで我々は「どうすればその人にとって生活しやすい環境を整えていくか」が目的にあると思う。自分的に言えば「より良く生きる」ための方法を提示・提案することが支援者に課された役割なのではないだろうか、と感じている。

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