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    以前HPで行っていた「todya's photo」の写真や「御岳写真館」で使用していた写真を再び復活させるべく、「思ひ出アルバム」として随時更新していきたいと思います。また最近の写真でも「思ひ出」となるものについては、ここに納められていくことになるでしょう。

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2005.08.13

コトバ★「障害者自立支援法案その2」

今回のコトバは、障害者自立支援法案の第2弾。今回はちょっと別の視点から話してみたいと思います。

基本スタンスとしては、自分はこの法案に反対です。その理由は既に「コトバ★障害者自立支援法案」で話した通りです。
そもそも「障害者自立支援法」には支援費制度が発足した時の「理念」がなくなっています。

障害者自立支援法
第1条(目的) この法律は、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、児童福祉法その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

支援費制度の本体の目的は、従来の措置制度(いわゆる「行政処分」、利用者の意思に関係なく施設や援護を決定する方法)から、利用者が自らサービスを選択し決めること、即ち「利用者本位」を大きな柱にしてきたはず。しかし今回の法案はその視点が欠如していることが、法案の目的から読み取れるのではないか、と思える。「障害者及び障害児の福祉の増進」って、結局それは「国の視点」であって、当事者の視点ではない。ましてや、法案では様々な福祉サービスを利用する際には原則として「1割の自己負担」が明示されている時点で「自立した日常生活」を営むことが出来るのか、疑問である。

これまでテレビでも多く訴えられてきたが、一言に「障害者」と言っても、その障害の特性によって必要とされる支援は異なってくる。例えば身体障害者を例に挙げても、その障害の種類によって必要な支援は異なる。肢体不自由の場合は介護的ニーズが必要となり、必要な支援は「身体介助」がメインになるだろう。逆に視覚障害や聴覚障害の場合は肢体不自由と共に「移動の支援」と言うニーズが存在する。さらに内部障害の場合は、日々の通院介助などの移動や医療費(更生医療)のニーズが高くなる。同じ「身体障害」でも、これだけ必要とされるニーズが違ってくる。
一方知的障害者の場合、重度知的障害者の場合は介護的ニーズが高くなる一方、中度~軽度知的障害の場合は「自己決定の支援」と言うニーズが存在する。特に軽度の場合は「自己決定」や「判断」が難しい場合があり、その部分の支援を求めるニーズが高くなる。また情報の提供も知的障害者にとっては必要とされるニーズの1つであり、身体障害に求められるニーズとは、また違ってくることがわかる。

このように障害の特性によって違ってくるニーズを、1つの法律に財政面を含めて一緒くたにまとめてしまうのは、少々乱暴なことであり、結果的に自立を阻害してしまうのではないか・・・と考える。「自立を阻害する」と言う点で言えば、この法律そのものが「自立を阻害している」と言える条文がある。

(介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給)
第28条 介護給付費及び特例介護給付費の支給は、次に掲げる障害福祉サービスに関して次条及び第30条の規定により支給する給付とする。
 一  居宅介護
 二  重度訪問介護
 三  行動援護
 四  療養介護(医療に係るものを除く。)
 五  生活介護
 六  児童デイサービス
 七  短期入所
 八  重度障害者等包括支援
 九  共同生活介護
 十  施設入所支援
2  訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給は、次に掲げる障害福祉サービスに関して次条及び第30条の規定により支給する給付とする。
 一  自立訓練
 二  就労移行支援
 三  就労継続支援
 四  共同生活援助

(介護給付費又は訓練等給付費)
第29条 市町村は、支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内において、都道府県知事が指定する障害福祉サービス事業を行う者(以下「指定障害福祉サービス事業者」という。)若しくは障害者支援施設(以下「指定障害者支援施設」という。)から当該指定に係る障害福祉サービス(以下「指定障害福祉サービス」という。)を受けたとき、又はのぞみの園から施設障害福祉サービスを受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給決定障害者等に対し、当該指定障害福祉サービス又は施設障害福祉サービス(支給量の範囲内のものに限る。以下「指定障害福祉サービス等」という。)に要した費用(食事の提供に要する費用、居住若しくは滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用又は創作的活動若しくは生産活動に要する費用のうち厚生労働省令で定める費用(以下「特定費用」という。)を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費を支給する。
2 (省略)
3 介護給付費又は訓練等給付費の額は、障害福祉サービスの種類ごとに指定障害福祉サービス等に通常要する費用(特定費用を除く。)につき、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定障害福祉サービス等に要した費用の額)の百分の九十に相当する額とする
4 支給決定障害者等が同一の月に受けた指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額の合計額から、前項の規定により算定された当該同一の月における介護給付費及び訓練等給付費の合計額を控除して得た額が、当該支給決定障害者等の家計に与える影響その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、同項の規定にかかわらず、当該同一の月における介護給付費又は訓練等給付費の額は、同項の規定により算定した費用の額の百分の九十に相当する額を超え百分の百に相当する額以下の範囲内において政令で定める額とする。
5~9(省略)

(特例介護給付費又は特例訓練等給付費)
第30条 市町村は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該指定障害福祉サービス等又は第二号に規定する基準該当障害福祉サービス(支給量の範囲内のものに限る。)に要した費用(特定費用を除く。)について、特例介護給付費又は特例訓練等給付費を支給することができる。
 一 支給決定障害者等が、第20条第一項の申請をした日から当該支給決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定障害福祉サービス等を受けたとき。
 二 支給決定障害者等が、指定障害福祉サービス等以外の障害福祉サービス(次に掲げる事業所又は施設により行われるものに限る。以下「基準該当障害福祉サービス」という。)を受けたとき。(詳細は省略)  
2 特例介護給付費又は特例訓練等給付費の額は、当該指定障害福祉サービス等については前条第三項の厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定障害福祉サービス等に要した費用の額)の百分の九十に相当する額を、当該基準該当障害福祉サービスについては障害福祉サービスの種類ごとに基準該当障害福祉サービスに通常要する費用(特定費用を除く。)につき厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該基準該当障害福祉サービスに要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に基準該当障害福祉サービスに要した費用の額)の百分の九十に相当する額をそれぞれ基準として、市町村が定める。
3 前二項に定めるもののほか、特例介護給付費及び特例訓練等給付費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(介護給付費等の額の特例)
第 三十一条 市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、障害福祉サービスに要する費用を負担することが困難であると認めた支給決定障害者等が受ける次の各号に掲げる介護給付費等の支給について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。(詳細は省略)

自立支援と矛盾している・・・と感じる。「自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図る」といいながら、その訓練のためにはお金が必要とする現実。裏を返せば「お金がなければ、自立のための訓練は受けられません」と言っているのと同じこと。国から支給されるのは全体の9割、残り1割は自分で負担しなければならない・・・これが「1割の自己負担」と言ったもの。結局自立するためにはお金が必要、お金がない人は自立できませんよ・・・と解釈してしまう自分は、「天邪鬼」であろうか?

ただ、「介護」と言う面ではまた別の視点が言えると思う。
「日常生活を営むのに、お金がかかることはおかしい」と主張する当事者の訴えはもっともなことである。障害がなければお金がかからないことが、障害があるために食事や入浴、排泄や外出など、「普段の生活」をすることさえ、お金がかかると言う現実。それが自立支援法によって更なる自己負担が求められることは、当事者にとっては不条理なことである。その部分はわかる。
しかし・・・逆にそのことに「従事している者」としては、「人を使っているのだから、お金がかかる」と言うのはある意味「当然なこと」であると思う。なぜなら、介護に従事している人は、その仕事で飯を食っているわけである。自分も「福祉」と言う仕事で収入を得ている以上、従事した対価は受け取らなければならない。「ボランティアでやっています」と宣言しているなら別だけど、あくまでも障害者の支援を「仕事」として以上、その支援を担った分の報酬を貰わなければ、逆に福祉に従事している人の生活が成り立たなくなる。

何だか文章が長くなってきてしまったので、この部分については、また改めて書くことにします。
この部分の問題、とてもシビアな内容だけど、でも決して看過することの出来ない問題であるので、またゆっくりと触れたいと思います。

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