最善の対応
本日の業務内容
終日、行事準備。完全にデスクワーク。
途中、午前に市役所のケースワーカーと、午後に利用者の母親と面談。
もちろん面談の内容は、昨日の1件。(守秘義務があるから、もちろんすべては話せない。)
午前の面談では現在の状況と今後の支援方針について意見交換を行い、ある程度の方針について決まった。その方針を元に、うちの施設も対応をしていくのだが、早速昼食時間に母親から電話が入る。本来であれば利用者に取り次ぐのだが、既に本人の意向は確認しているため対応は拒否。直接施設のほうに来て、話し合いを持つことに。
ただし「話し合い」と言っても一筋縄ではいかないもの。
案の定トラブルは発生した。内容もとてもじゃないが自分ひとりで対応しきれるものではなかったため、主任にも対応を依頼。とりあえずは何とか収まったが、今後も余談を許さない状況。
今回「緊急一時保護」の対応を取ったのは、本人が拒否していることと「生命の安全確保」が目的。今の状況で家庭に戻したら、その結末は目に見えている。対象や内容は違うが、今回のケースは「虐待ケース」に類するものがある。もちろんうちの施設は成人施設であるから、児童虐待防止法の適用はありえないし、児童虐待と同じように考えることはできない。しかしながら個人的な見解としては「被虐」と考えるのが適当と思っている。事実利用者本人は家庭復帰を拒んでおり、親との面会・会話も拒否している状態。こういう状態であれば、施設職員としても本人の意向に沿った対応を行わざるを得ない。
いくら施設といえども、基本的に親子間の接触を拒否する権利はない。
しかし児童福祉法における「被虐ケース」の場合は制限することができる。今回はそれと同様に考えており、本人が「話したくない」と言えば、その意向に沿った対応を取る。だから接触制限も行う。
自分がやるべきことは、利用者の「最善の利益」を守ること。
だからいくら親が「会いたい」と言っても、本人が「イヤ」と言っているものを無理やり会わせる訳にはいかない。「会うこと」よりも「会わないこと」の方が利用者にとっては利益である。親のエゴや感情だけで会わせてしまうのは、あまりにも短絡的過ぎであり、施設としての対応としては問題がある。
もちろん自分たちの対応がすべて正しい、とは毛頭思っていない。
でも常に「最善の対応」を考えている。今回の対応も「利用者の利益になる」と考えての対応であり、親の気持ちを充足させるために子どもの利益が阻害されるのは、間違っている。子どもも1人の「人権」を持っており、親の「供え物」の子供ではない。障害者であってもその考え方は同じ。その認識が改まらない限り、きっと本人は「帰りたい」と言う気持ちにはならないかもしれない。
だから「見つめなおす」ための冷却期間が、今の時期なのである。
この問題はまだまだ尾を引きそう。
行事が終わった後は、このケースの対応に力を入れないと・・・
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