コトバ★「名称独占」
今週のコトバは「名称独占」。
以前「児童福祉司」においても名称独占に関して簡単に触れた覚えがある。なので、今回は資格の性格について触れることに。
「名称独占」とは、その資格を持たない人が資格の名前を使用することを禁じることであり、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士などがこれに当たる。「社会福祉士及び介護福祉士法」には、次のように書いてある。
(名称の使用制限)
第48条 社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない。
2 介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない。
「名称独占」とは直接書いていないものの、条文を読めば「名称独占」の資格であることは言うまでもない。
一方「業務独占」とは、その資格を持たない人が資格の名前を使用することを禁じるほか、法に規定する業務に携わることも禁じることであり、保健師や助産師、看護師などがこれに当たる。やはり「保健師助産師看護師法」には、次のように書いてある。
第29条 保健師でない者は、保健師又はこれに類似する名称を用いて、第2条に規定する業をしてはならない。
第30条 助産師でない者は、第3条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
第31条 看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
2 保健師及び助産師は、前項の規定にかかわらず、第5条に規定する業を行うことができる。
第32条 准看護師でない者は、第6条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
ちなみに「規定する業」とは、次の通り。
第2条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。
第3条 この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
第6条 この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
やっぱり「業務独占」とは書いていないものの、「業をしてはならない」と書いてあり、なおかつ「厚生労働大臣の免許を受けて~を業とする者」と書いてあるので、「業務独占」の資格である。
「じゃ、社会福祉士は?」となると、このように書いてある。
第2条 この法律において「社会福祉士」とは、第28条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(第7条において「相談援助」という。)を業とする者をいう。
つまり社会福祉士の業務としては上記のことを指すが、上記の業務を行う目的で「社会福祉士」と言う名称を使用することは禁止する、これが「名称独占」の意味するところ。逆を言えば、社会福祉士でなくても、上記の業務を行う時に「社会福祉士」を名乗らなければ、別に問題ないということである。
今の自分の仕事は、まさしく「社会福祉士及び介護福祉士法」が規定している業務そのものを行っている。ただ、実際に今の職場で「社会福祉士」を持っているのは、自分だけ。だから現状では別に資格がなくても十分にできる職業であることは間違えない。ただ、資格がないから誰でもできるのか・・・と言ったら、それは違う。そこには高度の「専門性」があるのだから、資格を持っていれば「専門性の担保」につながることは、当然であると思う。
ただし・・・
メインの「御岳の山」でも繰り返し話しているように、資格はあくまで「資格」であって、実際に仕事をするのは自分自身。別に資格が仕事をするわけではない。このことは名称独占・業務独占に関わらず、当てはまること。資格を取った後が重要なのであり、資格を活かすも殺すも、それは自分次第。
社会福祉士も究極的には「業務独占」を目指しているが、そのためにはやはり社会福祉士一人ひとりが「プロ」であることを自覚していかなければならないのであろう。そして、胸を張って「私は社会福祉士です」と言える仕事をしなければならない。
そのためには、もっともっと自己研鑽をしていかないと・・・
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